 科学映像館で配信されているアクセス数の多い貴重な映像トップ10の中で、日映作品が 『福島の原子力』をトップに6作品も並んでいる。 話題性からトップ2作品は当然の結果とも言えようが、作品自体の完成度の高さもまた評価に値する。 これは、先輩諸氏の制作に於ける真摯な態度と熱意が伝わってくる結果であろう。 もちろんクライアントの制作意図に基づいてシナリオが書かれ,推考を重ねて 仕上げていくわけだが、その中には時代の空気そのものも映し出される。
今日は中村麟子さん脚本・演出の『地球と世界地図』を観てみよう。 昭和46年(1971年)制作の本作品は、教育映画祭・高校社会科教材最高賞を受賞している。 作品は、アポロ8号が捉えた宇宙から観た地球の映像から始まる。 人類が地球を球形であると確信する以前から、地図は作られていた。 そして、移動の手段の進歩によってより正確な地図が作られていった。 現在では、目的によって、いろいろな技法による世界地図を使っている。
高校時代に学んだが、はっきりとは解っていなかったメルカトルやら投影法やら。 とても良く解る! これ観ていたら私の世界観ももうちょっと違っていたかも。
作品の最後にアポロ14号による月面着陸の映像が入っている。 これは,この作品の制作年である1971年2月のミッションである。 米ソの宇宙開発競争の山場である月面着陸競争の時期である。
例によって,この作品作りに没頭していた麟子さんは、その回想録の中で 文部省の担当者と共に、始まったばかりの銀座歩行者天国に出かけた旨を記している。
mar.
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