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映蔵
横浜で活動する記録・広報映像制作会社日映科学映画製作所の作品紹介や、社の周り・横浜情報の発信など。
映画『ダンケルク』
見る前に『ダンケルク』のことを知っておいた方がいいよとNSに言われて、
直前にウィッキでざっと見ておいたからいいものの、何も知らずに観たら
“???”となったに違いない。

この映画は第二次世界大戦中、ドイツ軍に攻め込まれてフランス北部の街
『ダンケルク』に追い込まれたイギリス軍の兵士を本国に撤退させる『ダイナ
モ作戦』の話しである。

ノーラン監督は本作を「戦争映画ではなく、サバイバルの物語」といっている。
まさしくその言葉通り。ちょっとした字幕はあるものの、戦争映画によくある
背景の社会情勢や戦況などの説明はない。そういう客観的な視点が皆無
なのが新しくもあり斬新でもある。弾は飛んで来るが敵となるドイツ兵さえ
出てこない。

防波堤、民間船、飛行機(スピットファイア)という3ヶ所の異なる時間軸で
進行し、巧みにシンクロしながら結実していく手法はノーラン監督らしい。
私は『メメント』とか『インターステラー』とか大好きなんだもの。

悪い作品ではない。

ラストでウルっと来たし。勝つことを放棄して生きる道を選ぶのは勇気ある
選択だということも伝わった。でも、クリストファー・ノーランだからと期待し
すぎたのがまずかったのか、残念ながら、私としてはあまり魅力を感じ
ない作品だっだ。



  採点 65点。




 **ネタバレあり***


  dankelk.jpg


まず、内容云々する前に、素直に作品に入り込めなかった理由がある。

私が観たのはIMAXではない普通の劇場(109シネマ)である。
109シネマでは上映画面がスクリーンいっぱいに映されず、ひとまわり
小さいサイズ(画面の上下に黒い縁がでてしまう)で上映されていた。

おかしいなと思って家に帰って調べると、IMAXシアター以外で見ると、
どの劇場でもフォーマットの違いから、ひと回り小さい画面になってしまう
そうだ。それってあり? 今までどんな映画でもそんなことなかったよ。

っていうか、ノーラン監督だからそれはわざとしていることで、いつか画面が
広がるんじゃないかと期待していた。過去にそういう作品があったからだ。(*1)
・・・それもなかった。残念
まあ、画面が拡がったからって作品の評価が変わるものでもないけれど。

ネタバレ前に書いてしまったけど、
ノーラン監督は本作を「戦争映画ではなく、サバイバルの物語」だといっている
ように、この作品に「戦争とはなにか」「なぜ人間は戦うのか」と問いかける
場面はない。“群像劇”なんだろうけど、登場する人間たちが絡み合って
変化するような人間ドラマもない。それぞれの人物が、とにかくその場を必死に
頑張る、ただそれだけの話しだ。そこに戦争としてのリアリティがあるんだと
いえばその通りで、今までの戦争映画にない作品なのは確かだ。

それと勇敢なスピットファイヤーだけど。
ガス欠してエンジンが停止してからかなり長い時間滑空してたよね。
しかも低空で。・・・それはないんじゃない?
リアリズムに徹した作品だとしたら、そこだけファンタジーにしちゃダメなんじゃ
ないかな。

比べてはいけないんだろうけど、アニメ『この世界の片隅に』は、バカでのろまな
“すず”の視点だけで進行する戦争映画(正確には戦時中を舞台にした映画)
だけど、すずに感情移入してエモーショナルを感じたし、だからこそ記憶に残る
大好きな作品なのである。私はそういう作品の方が好きだな。
ごめんなさい。


(*1)上映中に画面サイズが広がる作品。

『ブレインストーム』(1983公開)
人間の記憶・知覚を他人に伝達するヘルメット型マシンのSF映画。
通常シーンはビスタサイズで描いているが、ブレインストームの装着時に
スクリーンサイズが横に大きく広がった。

『トロン・レガシー』(2010公開)
オープニングの現実世界はビスタサイズで、コンピューター内部の世界に
入ると同時にシネマスコープサイズへと横に大きく広がった。

きしょう
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祝10周年!
本の街、神保町。
その路地裏に名画座がある。

名画座、というと小さな、古びた映画館をイメージするかもしれない。
でもここは違う。

確かに大きくはないが、空に向かって鋭い先端が屹立する、未来的?な建築。
今年の7月でオープン10周年だから、まだまだ新しい。
本社がすぐ近くにある小学館の運営で、吉本興業運営のお笑い劇場「神保町花月」が同じ建物に入っている。

名画座もすっかり少なくなってしまった。
特に、わたしの好きな洋邦の60年代くらいまでのやつをかけてくれるのは。

大井武蔵野館や中野武蔵野ホール、銀座の並木座、みんななくなって久しい。
横浜にも、関内アカデミーなんてお世話になった名画座があった。

懐かしい、のはこれらの映画館で観た数々の作品もそうだし、今よりはるかに映画を観よう、観たい!という意欲に溢れていた自身のことも、そう思う。

10周年、おめでとうございます。
そうそう来てはいないわたしが言うのも何だが、末永く楽しませていただきますよう、よろしくお願いいたします。


次の特集上映は倍賞千恵子です。


NS
映画『君の名は。』

年末にようやく『君の名は。』を観た。

こういう爆発的にヒットをした映画を、上映が終わるころに行くと、期待しすぎて
失敗するんだよね。ハードルあがっちゃうから。アニメ『サマーウォーズ』の時も
そうだった。

けど『君の名は。』は面白かった。

新海誠監督作品は映像が美しいのは知られているが、その美しさは単に絵に
よるものだけでなく“日本の心”が感じられるからだ。

自然が残る田舎の風景が美しく描けるのは当然だけど、都会のビル群であっても、
ガラスに青い空と雲を写したり夕日を反射して輝かせたりとか、夕焼けにそびえ
立つ高層ビルのシルエットも美しい。それは監督が感じている日本の美しさや
愛おしさであり、丁寧に描かれた細部からひしひしと伝わってくる。

また、作品中では“片割れ時”という黄昏時(映画界ではマジックアワーと呼ぶ)を
効果的に使い、作品全体をファンタジーとして包み込んでいる。現実にはあり得ない
設定なのに、それほど気にならないのは新海誠監督の魔法でオブラートに包んで
いるからだ。

このブームはおそらく十代、二十代が中心で、もし私が十代か二十代の頃に観て
いたら100点をあげていたかもしれない。けど、五十を超えるとね、世の中そんなに
甘くないよ、という目で観てしまう自分がいるんだ。悲しいかな、素直に受け入れる
ことの出来ない自分が残念でならない。

楽しくて面白かったけど、「面白いからみんな観て!」と他人に薦める程ではなかった。

中学生や高校生のデートに最適!


 --採点 70点。




   *   *  以下ネタバレあり  *   *


kiminonawa.jpg


今までに男女入れ替わり物っていろいろあったけど、多くは大林宣彦監督の
『転校生』のように、一度入れ替わったらずっとチェンジしたままが多かった。
けどこの作品は、しょっちゅう入れ替わる。セリフにもあるが、週3(しゅうさん)
ぐらいの頻度であるようだ。

そのため、それまでの作品にありがちな入れ替わったことへの戸惑いや
悲しみにはそれほど時間をかけず、主人公たちは“夢”だと思いこんで入れ
替わることにむしろ積極的に順応しようとしているところが新しい。だから
テンポも軽快だしギャグも笑える。前半部で作品が重くないのはそのためだ。

また、十代や二十代にウケるのは、男女の入れ替わりとかティアマト彗星の
大接近とか、口噛み酒とかファンタジーの要素が多いが、実は、父親が町長
に立候補して恥ずかしい(三葉)とか、あこがれの先輩とデートが出来るチャン
スを得たのにうまく話せなくて失敗する(瀧)とか、家族や学校、友達、バイト、
恋愛など十代の悩みがテーマとなっているからだと思う。そこに共感できるのだ。

物語のベースが『赤い糸』とか『運命の歯車』とかオーソドックスなのに、
彗星が大接近するという天体ショーを絡めてファンタジーで包み込んでしまう
方便がうまい!

今から20年ほど前のこと、1997年に“ヘールボップ彗星”が大接近し、日本
でも3か月間、肉眼で普通に“ほうき星”を観ることが出来た。それは神秘的で、
宇宙の大きさを感じると同時に、天体ショーのおかげで、それまでとは世の中
が違って見えていたものだ。そんな記憶がよみがえった。おそらく監督も経験
してるのだろう。

ラストシーン。
主人公の二人は遇えるのか? それとも遇えないのか?って気をもまされる
けど、やっぱ、遇ってもらわないとね。遇うとしたらどこでだろうと私なりに観な
がら考えてた。街で歩いていてでは面白味がないし、イベント会場でも周囲の
処理が難しいし、そしたら、電車がたまたま併走して、窓越しにとなりの電車
に乗っていた。ときたからよかったね。都会ならではのシチュエーションだし、
互いが会いに行くという行為が必要になる。観ている観客も、急げ急げって
気持ちが高まる。

ただ残念なのは、二人が同時に「君の名は?」ってユニゾンで言ったのがどう
もね。残念ながら私にはそれがマイナス点だった。大人になった三葉なんだ
から「あなたは?」か、もしくは「あなたの名は?」とか言うだろうし、そもそも
名前を聞こうとするかな? 「君は?」とか「ねえ、君」ぐらいだろう。
タイトルと同じセリフを同時に言わせたところに監督の強い意図を感じてしまい
夢を見ていたのが一気に冷めてしまった。

しかもその後、カメラが空にパンアップして『君の名は。』ってタイトルまで出し
たでしょ。くどすぎる。あのタイトルはいらないと思う。

私だったら、同じセリフではなく、瀧は「ねえ、君」、三葉は「あのう・・・」と違う
セリフをかみ合わせて、カメラが空にパンアップして『君の名は。』ってタイトル
を出したな。

誰かも言ってたけど、もし十代の頃に観ていたら、この作品は宝物になって
いたかもしれない。青臭くとも一途な想い、というのは胸を熱くさせるものだ。
それは青春時代しかできない。

運命の赤い糸、青春ファンタジーの傑作です。

きしょう

映画『トランボ -ハリウッドに最も嫌われた男-』
今まで映画の感想は劇場公開に限定して書いてきた。
けど、この作品は先日スカパーで見て感動し、どうしても書きたくなった作品である。

主人公 ダルトン・トランボはハリウッドの脚本家である。
代表作は『ローマの休日』『スパルタカス』『ジョニーは戦場へ行った』『ダラスの
熱い日』『パピヨン』・・・。 すごい、すごすぎる!!

オープニングのタイトルバックで、タイプライターを打つパチパチパチという音に
ジャズのドラムが重なる粋なオープニングに、いい作品に違いないと直感した。

物語は1940年代後半、第二次世界大戦後の冷戦を背景にアメリカで起こった
“赤狩り”の標的となった脚本家ダルトン・トランボの人生を、実話を基に描く
ドラマである。

私は“赤狩り”の時代後に生まれているので、共産主義者に対する社会的弾圧
があったことを実感したことがなく、過去の出来事でしかなかった。現代のように
自分の思想、主義を自由に主張できない時代、考えると暗澹として苦しい。

トランボが、そんな時代と闘って生きる姿に感動し、ひさびさに心に響いた作品
だった。しばらくは他の映画を見ずにこの感傷に浸りたい。


 -- 点数 95点。




   *  *  *   ネタバレあり   *  *  *





トランボは共産主義のため次第に仕事を干されてしまう。が、家族のために、
そして生きるために偽名を使ってシナリオ活動を続ける。その柔軟な行動に
頭が下がる。普通なら家族に嫌われて妻とは離婚、家族はバラバラになるの
が落ちだ。ところがトランボは家族をスタッフに巻き込んでまで、嫌われながら
もなお仕事を続ける。

頑固で石頭で、家族は嫌いながらも父を支える。それはなぜか、家族と一緒
になって完成した作品を映画館で観るからだ。これが家族をつなぎとめるすべ
なんだ。

ローマの休日の“真実の口”の場面は、あの作品で一番ドキドキする場面で
私も名場面だと思う。そんな父の作品に笑ったり驚いたり反応する観客を観て
いると、それまでの苦労が報われるだろうし、父の才能を知り信頼を得る。

トランボを演じたブライアン・クランストンも素晴らしいが、我慢を重ねながらも
献身に支える妻役のダイアン・レインがいい。だから、オスカー受賞のテレビ
放送をみんなで見る場面では、トランボよりも家族の表情を見てしまった。
家族で笑ったり泣いたりする姿に胸が熱くなる。

また、当の本人よりも線が細い、弱っちいカーク・ダグラスも面白いし、自分の
名前を連呼するオットー・プレミンジャーもいい味を出している。それに、何たっ
てB級映画プロデューサーが、圧力をかけてきた映画協会員(だっけ?)に、
「好きにしろ。役者は素人でもいい。どうせうちの映画はゴミだ!」
とバットを振り回して撃退する場面は痛快だ。

トランボに才能があるからカーク・ダグラスやオットー・プレミンジャー監督が
製作者の反対を押し切ってトランボの名前をタイトルに出そうと決断する。
そんな気概ある心意気に感動し、また涙してしまう。

この作品を見たすぐ後、手持ちの『スパルタカス(完全版)』を見てしまった。
古代ローマ時代の剣闘士の反乱を描き、各地の奴隷を開放して集め、
ローマに戦いを挑んだ主人公“スパルタカス”にトランボの姿が重なった。
改めていい映画だった。

・・・しかし、当の作品を監督をしたキューブリックは、自分は“やとわれ監督”
であり、作品に納得せず、「これは自分の作品ではない」と自身の作品リスト
から外したそうだ。(笑) そんな裏話を知ってると、なお面白い。

スターチャンネルでは、12月から1月にトランボ作品を放送する。オスカーを
受賞した『黒い牝牛』や、オットープレミンジャー監督の『栄光への脱出』も。 
早く観たい。

共産主義者として社会から理不尽な弾圧を受けるが、それでも主張を曲げない
トランボ。逆境に遭っても信念を貫き通せる強い信念。そして、安いギャラでも脚本
を書き続けることで家族の生計を立て、そして最後に自分の名前をタイトルに
表し勝利を掴んだ姿に私に勇気と希望を与えてくれた。

いい作品です。 ・・・しかも、映画好きなら なおさらだ。

きしょう
『不思議惑星キン・ザ・ザ』

 『不思議惑星キン・ザ・ザ』が面白いよ、と知人に言われて何年もたってしまった。
 スカパーでもやらないし近所のレンタルショップにも置いてない。

 それが、横浜のミニシアター『ジャック&ベティ』で上映すると知って、あわてて
 行ってきた。

 『不思議惑星キン・ザ・ザ』は、ソビエト連邦時代の1986年に制作されたSFコメディー
 映画である。

 ストーリーは、
 ある日、ソビエト出身の建築技師マシコフが妻にたのまれて夕飯の買い出しに街へ
 出かける。そこに「困ってる宇宙人がいるよ」とグルジア出身の学生ゲデバンが声を
 かけてきた。マシコフが助けてあげようと、男が持っていたボタンを押したら、さあ大変。
 一瞬して2人は不思議惑星キン・ザ・ザにワープしてしまった!

 そこは見渡す限りの砂漠で、下の写真のように、住んでいる宇宙人(見た目はフツー
 の人間と同じ)の言葉は全て 「クー!」。 マシコフとゲデバン二人の地球へ帰る
 冒険がはじまる。

kinzaza01.jpg
   写真が宇宙人。 両手を広げてご挨拶 「クー!」

 予告編や雑誌のコメントを見て感じていたのは、不思議な映像とシュールな笑い
 だった。でも、ちゃんとストーリーがあって、わかりやすい映画だった。

  --採点 78点。

    80点はあげすぎだし、70点では足りない気もするし。
    イヤイヤ、傑作というわけではないよ。あくまでもトンデモ・カルト映画なんだ
    けどね。 ク ー !



  ***** ネダバレあり ****






 第一部はキン・ザ・ザに現れる人物や現象に目をみはるばかり。しかも
 それらが、小学生程度の幼稚な表現なのでほとほと飽きれてしまう。

 監督は社会主義時代のソ連の共和国だったグルジア出身ということもあり、
 『識別器』を当てることで人種を区別されたり、身分の低い人は鼻鈴を付け
 なければいけなかったり。赤いステテコをはいている人と黄ステテコをはい
 てる人はエライとか、人種差別とか階級制度とか当時のソ連社会を風刺
 する場面がたくさん出てくる。

 作品のほとんどが砂漠のため、セットに金を掛けずに安くあがったろうけど、
 意外や意外、手抜きかと思われる『釣鐘型の宇宙船』が良い味だしていた。
 動力がわからないが、茶色い砂漠と青空の中を飛ぶ姿が実にシュールだった。

 この映画はラストのオチがすべて。

 地球に戻ってきて挨拶をするところで笑ってしまった。
 それまでのかったるさは一気に吹き飛んでしまうのだ。

 頬を二回叩いて腕をハの字に開いて“ク~”とやりたくなるよ。

 こんな、ゆる~い映画の後は、惑星ソラリスや未来惑星ザルドスが見たくなった。

 めでたし。


 きしょう