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プロフィール |
Author:nichieikagaku
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映蔵 横浜で活動する記録・広報映像制作会社日映科学映画製作所の作品紹介や、社の周り・横浜情報の発信など。 |
脚本家の橋本忍氏が亡くなられた |
先月、7月19日に脚本家の橋本忍氏が亡くなられた。
橋本忍といえば、「羅生門」「七人の侍」など、日本映画史に残る名作、ヒット作を 多く手がけた脚本家である。
氏の名を一躍有名にしたのは芥川龍之介の小説「藪の中」を脚色した「羅生門」が ヴェネツィア国際映画祭でグランプリを受賞してからだ。これが脚本家デビューだっ たそうである。それからは黒澤明監督の脚本チームの一員となって、「生きる」 「七人の侍」「蜘蛛巣城」「隠し砦の三悪人」などを書いた。
他に記憶に残るのは、野村芳太郎監督の「張込み」「ゼロの焦点」、 小林正樹監督の「切腹」「上意討ち 拝領妻始末」、山本薩夫監督の「白い巨塔」 今井正監督の「仇討」、岡本喜八監督の「日本のいちばん長い日」、 森谷司郎監督の「日本沈没」など、好きな作品をあげたら切りが無い。
73年に野村芳太郎監督ら6人で「橋本プロ」を設立し、自身の脚本で第1作「砂の器」 (74年、野村芳太郎監督)を、続く第2作が「八甲田山」(77年、森谷司郎監督) を製作した。2作品とも大ヒットを記録して輝かしい記録が残っている。
ところが・・・
第3作目として満を持して製作したのが『幻の湖』だった。 これは東宝創立50周年記念作品という冠までつき、脚本だけでなく橋本自身が監督も 務めるという快挙に出たのである。
物語は、滋賀県にある温泉街(雄琴)のソープランド嬢が愛犬の死を恨んで仇討する もの。時代が現代から戦国時代にもどったり宇宙に飛び出したりと壮大なスケールの ドラマが展開された超大作だった。
ところが、主人公がソープランド嬢の上、難解な内容のために客足が伸びず(たぶん)、 公開から約3週間で打ち切りとなった。
晩年は病気がちだったそうだが、2000年に故郷の兵庫県市川町に『橋本忍記念館』 が建てられたそうだ。
いつか訪ねてみたい。
きしょう
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映画 『レディ・プレイヤー1』 |
友人からさそわれて『レディ・プレイヤー1』をIMAX3Dで鑑賞した。
オープニングからいきなりーチャルリアリティなゲームの世界に入って、 その迫力がハンパない。
ストーリーが単純なのでゲームの世界にのめりこめる。 しかも、スピルバーグは省略がうまいから、クイズの謎を解く場面でも間延びする ことなく退屈することはなかった。
見どころはVR世界の縦横無尽なCG画面と迫力ある映像の他に、80年代の ポップカルチャーのアイテムやキャラクターが随所に盛り込まれているのが魅力だ。 その登場するキャラクターやBGM、小道具が知ってるものばかり。
特に“あのロボット”と“あのロボット”が“あのロボット”とガチンコで闘うシーンは燃える。
80年代のポップカルチャーによる
“オモチャの缶詰” 的作品!
採点 90点 (90点満点)
人生を変えるほど感動した映画と同じではないので90点満点とする。
* * * ネタバレあり * * *

とにかく楽しい。
個人的にはガンダムの登場よりもキューブリックの『シャイニング』の再現に拍手。 大好きな双子の姉妹も出てくるし。まるで自分が映画の世界を体験してるような 感覚になる。映画『テッド』の時もそうだけど、あまりにもコアな作品のオマージュって、 知ってる人はものすごくハマるけど、知らない人はどうなのかって考えちゃう。 ま、私が心配してもしょうがないので楽しんだ方がいいけど。
“あのロボット”と“あのロボット”が・・・は
『アイアン・ジャイアント』と『ガンダム』が『メカゴジラ』。 まさかこの3体が戦うなんて誰が予想できるだろうか! しかも森崎ウィンの「俺はガンダムで行く!」のセリフがカッコイイ。
細かいネタを挙げたくなるけれど、それは置いといて、 最後の方でドロンジョ様がいたような気がした。 ←未確認
30年前、・・いや、もうちょっと昔だったかな? ←三木のり平
ベータマックスJ-9を買った時にアニメ『プロジェクトA子』をスローモーションで 観たように。 ← 当時アニメオタクがこぞってやっていた ブルーレイが発売されたら目を皿のようにして細かいキャラクターを探して楽しもう。
異性のキャラクター(アバター)に好意を寄せてしまうのは携帯ゲームにハマっ ている若者たちには“あるあるネタ”でしょう。
ラストの『現実の世界(3次元)の方がもっと良いことがあるんだ』というメッセージに おじさんはウルっとしてしまった。 VRの世界にのめり込み過ぎることへの警鐘はスピルバーグらしい。 火曜と木曜が休み(?)というのも温かいメッセージとして心に響く。
ラストのイースターエッグがインディ・ジョーンズの“サンカラ・ストーン”に似てて 笑ってしまった。そこまでやるかって。
きしょう
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6番目の国立美術館、誕生。 |
国立近代美術館の1セクションだったフィルムセンターが、2018年4月、独立行政法人国立美術館の映画専門機関「国立映画アーカイブ」となる由。いわば、6番目の国立美術館が誕生するわけ。

このところ、歳のせいか?来館ペースが落ちているというものの、わたしとフィルムセンター(以下FMと略する)の付き合いは20年近くになる。その間、古い映画をかけてくれる名画座は大半が閉館し、ホント、FMこそ最後の砦というべき存在。
これまでフィルムセンターが推進してきた映画の保存と活用事業、ますますパワーアップされるのか、大いに期待したい。
映画であるからには、上映が基本になるのは当然だが、個人的には映画会社・監督・俳優・ジャンル、様々なテーマで企画展を、それも見応えタップリにやてくれないかしら、というのがリクエスト。世田谷文学館もこのところやってくれないし、たまに世田美が…という程度で、ここも場所柄東宝つながりになりがちなので。
ぜひともよろしくお願いします。
 現在、7階のギャラリーでは「SF・怪獣映画の世界」を開催中。
NS
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映画『スターウォーズ/最後のジェダイ』 |
冒頭『STAR WARS』のメインタイトルがジャーンと出たとき、題字の色が今まで 通りの黄色だったのに驚いた。赤いのはポスターだけだったのか。 ちょっと拍子抜け。
キャッチコピーが“誰も見たことがない衝撃のスター・ウォーズ”だったので、 どんだけ~ って (by IKKO) 予想もできない結末が待っていると思いきや、細かいどんでん返しがいくつも 繰り返すものの、想定内の結末に落ち着いた。ちょっとがっかり。
上映時間が152分。
これで終わりかと思ったらまだ続く。多くの要素を詰め込み過ぎた感じ。
音楽に例えると、過去のスターウォーズシリーズが演歌のように一本の太い ストーリーを軸に動と静が大きな波を打ちながらクライマックスに向かって 盛り上がるとしたら、本品はJポップのようで、小刻みに小さなクライマック ス(サビ)が数珠つなぎにやってくる。こういう展開が若い人にウケるんだろうな。
何だかSWも様変わりしたな、という印象が残った。 私としてはSWサーガという壮大な叙情詩であってほしい。
採点 72点。
* * * 以下ネタバレあり * * *

面白さよりもツッコミの方が勝ってしまった。
まず、最初に気になったのが主人公レイの腕。 ブタの前足みたいに太っっといの。レイの太ったりやせたりが気になって作品 に集中できなかった。撮影前にコントロールしときなさい。
それと“天童よしみ ローズ”。
東洋系の上にポッチャリ系と、これまでのSWにはなかったキャラクターで かなり違和感あった。彼女自体はポッドの見張り役で終わるなら文句はないし、 むしろ記憶に残る脇役としてよかったんだけど、まさか準主役にまで躍り出る とは考えてもみなかった。
さらにフィンとローズの潜入作戦がまるまる無意味だったこと。でもね、 映画『ローグ・ワン』でも書いたように、戦争ですべての作戦が成功するわけ ではないので、まあ、それは我慢するとして。でも惑星クレイタのバトルで フィンを体当たりして助けて、その後のキスシーンには驚き。
私にとってローズのキスシーンこそが
“今まで見たことがない衝撃のスター・ウォーズ”だ。(^_^A;)
熟女好きの私としては、ホルド熟女提督の特攻が胸に沁みるものがあった。
細かいけれど、スノークの旗艦でカイロ・レンと闘っていたレイがどうやって ファルコン号に乗れたんだろうか。
そのカイロ・レンだってスノークを殺した後にハックス将軍が来たときに 「レイがスノークを殺した」って、小っさなウソついたな。 何じゃその子供の言い訳みたいの。(笑) もっと大物になってくれや。こっちは期待してんだから。
それと、最後の基地(クレイト)でポーが「ルークはどこから来たんだ、きっと脱出口 がある」なんて突然気がつくけど、このギリギリの場でよくそんなこと考えられたな。 冷静になれという熟女提督の教えの成果かもしれないが違和感あったワ。 しかも、ルークは幻影だったわけだし、あんたの勘違いでしょ。(^_^;)
他にもどこかの戦闘シーンで帝国軍が 「的が小さくて当たりません」って、 何度もそれで負けてんだから、いい加減学習しろや。
もっとも残念なのはレイの両親がはっきりしなかったこと。 飲んだくれだのジャクーで眠っているなど情報はあったけど、あの並外れた フォースを扱えるなんてただ者じゃないよ。 ヨーダから時間をかけて教わったルークよりも、ルークから修行したカイロ・ レンよりも短期間で会得しますます強くなっていく。みなさん忘れているかも しれないけど、彼女はミディクロリアンが多いに違いない。その親は絶対、 フツーの人ではない。きっと次回でわかるんだろう。 ←驚きの出生の秘密を 私は信じている。
もう一人、個人的に期待していたキャプテン・ファズマが意外にもあっさりと 死んだのも残念だった。ローズなんて新しいキャラクターを出すよりも彼女 を掘り下げてほしかった。最後に炎の中に落ちたけど、全身鎧でおおわれ ているし、全身丸焦げになっても生き延びて、次回、カイロ・レンと共に新 しい帝国軍の上層部にいてほしい。復活を期待する。
昔からのSWファンとして一番納得できないのは、ルークの存在。 EP6で皇帝の前でライトセイバーを捨てて身をもって父の改心を願った ルークが、甥っ子のカイロ・レンの闇を見ただけで殺そうとするなんてあり 得ないでしょ。引きこもりの偏屈ジジイに描かれているし、ファンとしては 納得できません!
それに、レイアが死んだと思ったら生きてたり、熟女提督が 『さらば宇宙戦艦ヤマト』ばりに特攻で突っ込んじゃうから、 肝心のルークの死が霞んじゃって印象薄くなっちゃったじゃないか。 あの伝説のルークの死やぞ、涙のこれっぽっちも出なかったわ。どういうこっちゃ。
おっと、良かったのを忘れていた。
レイの助けをルークが拒否したときにR2D2から懐かしいレイアの フォログラムが投影されたのは良かったね。うるっと来たよ。 ヨーダの登場も、マペットのCGというのがイイ。
最後に一番の問題点。(問題点がありすぎ)
“誰も見たことがない衝撃のスター・ウォーズ”って、どれを指すのか?
私が脚本家だったら、レイはカイロ・レンと手を取ってダークサイドに落とすだ ろうな。そして弱っちかった中二病のカイロ・レンがダースヴェーダーばりの 完全悪となり、ラストで帝国軍の全員がひれ伏すようなエンデングで終わ らすと思う。
憶測だが、悪が勝利する映画は『ディズニーピクチャーズ』としては許されない のかもしれない。ルーカスよ、なぜディズニーに権利を売ったのか! 残念だ。
きしょう
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映画「ブレードランナー2049」 |
うーん、微妙。
ストーリーに文句はないけれど、長いよ。
仕事帰りの19時上映の回を観たので眠くなってしまった。 上映時間が163分。私が監督だったら終盤もっと削るよ。
物語は、逃亡したレプリカント(人造人間)を捕らえるために作られた新レプリ カント“K”が主人公。ある日、逃走したレプリカントを追い詰めて処理すると、 庭に白骨死体を発見する。調べてみると、そこには衝撃的な事実が隠されていた。
まさに35年前に作られたブレードランナーの続編。 前日に前作を観て予習したのがよかった。デッカードとレイチェルの会話とか サブキャラクターの存在とか、本作につながる部分が多かった。
それに衝撃的な事実は“マジ?!”って驚くほどだったし、 ぐいぐい引き込まれる導入部はすばらしい。
けど・・・ デッカードが登場してからの終盤がかったるい。
それに期待していた映像美も新鮮に感じたのは予告編で流れていた赤い 砂漠の像だけ。2049を観終わって改めて感じたのは、アナログ技術だけで 作り上げた前作がどれだけすごい仕事だったかということ。CGの技術が 向上した現在を持っても35年前の映像美や世界観の魅力には及ばなかった。
採点 それでも70点。
この作品は一般向きではない。
前作が好きな人に限られると思う。
* * * 以下、ネタバレあり * * *

全体的に間が長い。←こればっか
よかったのは、レプリカトが妊娠したという衝撃的事実。 レイチェルは特別なレプリカントだったんだろう。だからデッカードは自分の人生を かけて彼女を守ろうとしたのだ。ところが、レイチェルの最後を見届けなかったと いうのは納得がいかないんだけど・・・。 うーん、もう一度見ないと何ともいえない。
レプリカント(人造人間)が子を生むというのを信じられるか否か、たとえフィクション としても、どうかな? と疑念を持ってしまう私の様な人はダメかもしれない。 レプリカントとクローンの融合のような存在にしたら、まだ納得できる。
よかったのは、生身の人間とAIホログラムの彼女が徐々に同期するシーン。 なかなかエロチックだった。
赤子を生むという発想は斬新だが、物語はレプリカントの自分探しの旅になって しまう。・・・またか、と思うが、作られた記憶のはずが、焼却炉から木彫りの馬が 出てきたところは驚いた。(目が覚めた)
前作の、レプリカントは開発したタイレル社によって安全装置として4年の寿命しか 与えられなかった。寿命を悟ったレプリカントは、殺すはずのデッカードを救い上げ、 穏やかな笑みを浮かべながら命果てる。・・・この限られた寿命と必死に戦うレプリ カントの姿に感動した。
一方、2049は、前作の持っている死という残酷さの中に感じる神々しさは感じられ なかった。では、初めて生まれた赤子には・・・。
その彼女に神々しさを感じるSFらしい“何か”が感じられれば満点だったろうに。
私はラストにもうひとひねり欲しかった。
きしょう
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